今作ろうとしているそのホームページは一体誰のためのホームページなのか
ホームページを作る目的とも被りますが、ホームページを制作するにあたって、これはいったい誰のためのホームページなのかということを明確にする必要があります。
個人も企業も中小企業も大企業も役所も・・・、或いは男も女も子供も大人も会社員も主婦もお金持ちもそうでない人も・・・、ヤフーのようなメガサイトであれば万人を対象とした内容になっており、一方的にジャイアンツばかりを取り上げて、タイガースはけちょんけちょんにこき下ろすということはなく、よく言えば誰が見ても当たり障りのない内容になっています。ジャイアンツを持ち上げる記事があれば叩く記事もあり調和がとれています。
しかし、特に個人事業主や中小企業がホームページを制作する場合は対象を明確にする必要があると思います。
例えば宇都宮市の雀宮駅の近くで美容室を営業しているとします。新たにホームページを制作しました。あなたがテレビ局から頻繁に取材を受けるカリスマ美容師ならともかく、そうでもない限り、わざわざあなたを訪ねて他の地域から来店するということは現実的ではありません。必然的に雀宮駅を利用するOLさんや学生さん、そして近隣の住人を対象にしたサービスになると思います。
さらに絞りこむ必要があります。二十代向けのお店なのか、主婦層を相手にするお店なのか、アットホームなお店なのか、フォーマルな高級店なのか、或いはパーマに強いお店なのか縮毛矯正に強いお店なのか、夜遅くまでやっているお店なのか等々、様々な営業スタイルがあると思います。
ここで大切なのはあれもこれも欲張ってはいけないということです。「中高生の若いきゃぴきゃびした女の子たちを中心の高級志向のヘアサロン、お爺ちゃんもお婆ちゃんも大満足」、さすがに突飛な内容であると思いますがこういうお店に行きたいと思うのでしょうか。
洗練された都会風のおしゃれな美容室が好きな人もいれば、地元栃木に根差したアットホームなお店が好きという人がいると思います。老若男女問わず、満遍なくホームページを見た全員根こそぎ顧客にしようというのはさすがに無理があります。
あくまでもここで言いたいのは都会派の店舗を経営しろとか、もっとざっくばらんなアットホームなお店を経営しろという話でありません。都会派には都会派のよさがあり、地域密着型のアットホームなお店にはアットホームなお店の良さがあり、それぞれのファンがいると思います。
それぞれのファンと言ってもそこには必ず興味はあるがまだ利用できていない潜在的なファン(潜在見込み客)がいると思います。また、現在利用している他店に不満を抱いている人も潜在的見込み客と言えます。
言葉は悪いですが、その潜在的見込み客をどうやって囲い込んでいくかがホームページ運営の最大のポイントです。
初めてホームページを作るときに陥りやすい罠とは
特に初めてホームページを作る場合、欲張りになりがちです。ついつい欲張ってあれもこれもと入れたくなります。その気持ちはもちろんよく分かります。
しかし、ちょっと待ってください。
ホームページで検索するという行為は漠然とした候補から自分の欲する情報を絞り込んでいく作業に他なりません。現実問題、雀宮駅近辺の美容室に雀の宮となんの関連もない人がわざわざ10キロ以上の離れた町中から来店する可能性は低いはずです。JRにしても東武にしてもそれぞれの宇都宮駅近辺は美容室激戦区であり、恐らく100件以上あるはずです(ホットペッパーに掲載しているお店が57件)。
「雀宮駅前を通る日光街道沿いに勤める会社があり、会社帰りに寄れる美容室はどこかないか、かしこまったお店は苦手だし、だからと言って若い子たちで溢れているお店も苦手、スタイリストさんと自然と会話が出来るあまり気取らないお店ないかな~」という思いでお店を探すと思います。
もし、あなたの経営するお店がこの条件に合致するのであればこのOLさんを潜在的見込み客から実際の顧客にしなくてはなりません。地域に根差したホームページというものはつまるところこういうことだと思います。
小山の駅前で和食が食べたくてどこか美味しいお店がないかな~と探している人に徳次郎インターチェンジのそばに美味しい焼肉屋さんがあるよと言ってもなかなか響かないと思います。もしかするとそのうち観光で日光に行ったついでに立ち寄るかもしれませんがあまり現実的ではありません。得てしてホームページで営業すると極端な話、商圏は日本全土になるため、一人でも多くとの思いが先走り、あれもこれもと欲張ってしまいます。
ですが、特に個人商店や地域に根差した中小企業の場合、ホームページを利用する対象を可視化する必要があります。当然、WEB担当者さんが一人で出来るものではありません。社員に限らず、パートさん、アルバイトさんを交えてどういう人を対象にすべきかということをよく議論し、検討する必要があると思います。マーケティングの世界ではペルソナという手法を使い、潜在的見込み客を可視化することがよく用いられておりますが、そこまで具体的ではなくとも、対象は「宇都宮大学に通う宇大生の女の子と峰町近辺に住む二十代のOL」などと絞った方が成功する確率は高いと思われます。成功したら今度は多少商圏を広げるとか、年齢層を広げるとかすればいいと思います。
中小企業のホームページが百貨店の真似をしてあれもこれもと全部入れようとすると大抵はいったい何が特徴の店なのか分からず失敗するケースが多いです。
また、対象が決まったらそれに合わせたデザインのホームページを作る必要があります。
自然派を売るのがコンセプトのお店なのに原色を多用した派手なホームページであれば見込み客は実際のサービス以前に本当にこのお店は大丈夫だろうかと、二の足を踏んでしまいます。
もっともそのあたりは制作会社のセンスと経験によるところも大きいです。
とにかく、ここで言いたいのは一体誰のためのホームページであるのかということです。くれぐれも経営者さんのためのホームページではありません。
https://www.tochigi-realize.com/web-staff/seisaku-kaisha-erabi/
>> 目的に合った制作会社を選ぼうに続きます。